機材の情報で「737-800」とあったり、「737-8」とあったり。ゼロが2つ抜けているだけの表記ゆれだと思っていませんか? 実はこの2つ、名前はそっくりでも世代の違う別の飛行機なんです。
しかも今、日本の空ではちょうど「737-800から737-8へ」の入れ替えが始まったところです。スカイマークではすでに737-8が飛び始め、ANAとJALもこれから続きます。どこが違って、乗る側にとって何が変わるのか、見ていきます。
「-800」と「-8」、ひと文字違いで世代が違う
737-800は、「737NG(ネクストジェネレーション)」と呼ばれる世代の機体です。JAL・ANA・スカイマークの国内線で主力として飛んでいるので、乗ったことのある方も多いと思います。
一方の737-8は、その後継となる「737MAX」シリーズの1モデルです。737MAXは2016年に初飛行したシリーズで、「737 MAX 8」と書かれることもあります。日本の航空会社の発表では「737-8」の表記が使われています。
日本の3社とも、737-8を737-800の後継として入れます。座席数も、737-800と同じか同じくらいです。ぱっと見で区別がつかないのも無理はありません。
見分けるならエンジンの後ろと翼の先
そっくりな2機ですが、展望デッキから見ると違いがいくつかあります。
エンジン:737-8は大きくて、後ろの縁がギザギザ
まずはエンジンです。737-800はCFM56というエンジンで、空気の取り入れ口が少しつぶれた楕円形をしています。737-8は新しいLEAP-1Bというエンジンを積んでいて、737-800のエンジンよりひと回り大きく、取り入れ口は丸みを帯びています。

目印になるのが、エンジンカバーの後ろの縁です。737-8はここがギザギザの形(シェブロンノズル)になっていて、騒音を抑える役割があります。737-800の縁にはこのギザギザがありません。
翼の先:737-8は上下に分かれた角ばった形
翼の先(ウイングレット)も違います。737-800は、上向きに反った1枚の翼端が基本です。737-8の翼端は上下に2枚に分かれていて、2枚とも翼の先の同じところから伸び、先端が角ばっています。

ただ、737-800の中にも、上下2枚の翼端を付けた機体があります。こちらは先端が剣のように丸く曲がっていて、下の小さいほうの羽根が上の羽根の途中から出ているのが目印です。翼の先だけで迷ったら、エンジンのギザギザも見てみてください。
しっぽの先:737-8はとがっている
機体のいちばん後ろ(テールコーン)も、737-8は787のようにとがった形で、737-800は短くずんぐりしています。搭乗橋につながっているとターミナルからは見えにくいので、こちらは離着陸を眺めるときの楽しみに取っておくのがよさそうです。
燃費は約15%改善、航続距離は約1,000km伸びる
見た目以上に大きいのが、中身の違いです。新しいエンジンと翼端のおかげで、737-8は737-800と比べて1座席あたりの燃料消費量とCO2排出量が約15%少なくなるとされています。航続距離も737-800より約1,000km伸びて、6,570kmになっています。
乗り心地はどう変わる? カギは充電と荷物棚
乗る側にとって気になるのは、機内ですよね。日本で最初に737-8を飛ばしたスカイマークの例を見ると、変化が分かりやすいです。
- 座席数は737-800と同じ1クラス177席(横3-3列)。座席はレカロ製で、シートピッチは約31インチ(約79cm)
- 充電は、737-800では座席下の電源コンセントだけでしたが、737-8では座席背面のタブレットホルダー横にUSB Type-C(60W)が付きました
- 手荷物の収納棚が大きくなりました
- LED照明の「ボーイング・スカイインテリア」で、天井が高く感じられる客室に
- 機内Wi-Fiは就航当初はなく、今後順次導入の予定
目の前で充電できることと、荷物棚に余裕があることは、国内線の短いフライトでもうれしいポイントです。大きくなったエンジンとギザギザの縁は、静かさにもつながるとされています。
日本の3社、737-8の現在地
2026年11月1日時点で、3社の状況をまとめるとこうなります。
| スカイマーク | ANA | JAL | |
|---|---|---|---|
| 状況 | 2026年5月28日に就航 | 初受領は12月以降の予定 | 2026年度中に受領、2027年度から順次就航 |
| 座席数 | 1クラス177席 | 2クラス166席(プレミアムクラス8席+普通席158席) | 未発表(現行の737-800と同程度の見通し) |
| 737-800との比較 | 同じ177席 | 同じ166席 | 737-800は国内線2クラス165席 |
| 導入機数 | 737-8は13機(737-10の7機と合わせて20機) | 最大42機(確定38機+オプション4機) | 38機 |
スカイマーク:日本でいちばん乗りの737-8
日本の航空会社として初めて737MAXを受け取ったのがスカイマークです。初号機は登録記号JA738Aで、5月28日の羽田発福岡行きが最初の便でした。機体のデザインも新しくなり、ブランドカラーの「SKY BLUE」が垂直尾翼から機体の下まで広がっています。翼端に赤いハートが2つ描かれているのも、スカイマークの737-8の目印です(737-800は1つ)。
ANA:受領は年末以降へ
ANAは、国内線で使ってきた737-800の後継として737-8を入れます。当初は2026年6月から受け取る計画でしたが、ボーイング側の引き渡しの遅れで、9月以降、10月以降と後ろにずれ、10月29日の決算会見では12月以降の初受領という見通しが示されました。運航はANAウイングスが担います。
座席数は737-800と同じ166席ですが、座席は新しいものを入れる予定です。車いすに対応したユニバーサル仕様の化粧室を、世界で初めて導入する計画も進んでいます。
JAL:小型機に初めてのファーストクラス
いちばん大きく変わりそうなのがJALです。2026年3月23日の記者発表会で、737-8に入れる国内線の新しい座席を、実物大の模型で初めて公開しました。737-800の国内線はクラスJと普通席でしたが、737-8にはJALの小型機として初めてファーストクラスが付きます。

ファーストクラスは横2-2列になる予定で、座席はサフラン製です。普通席はレカロ製で、どちらの席にもUSB端子(Type-AとType-C)があります。パソコン用のAC電源は付きません。
いまJALのファーストクラスに乗れるのは、787やA350を使う羽田発着など10ほどの路線に限られています。JALはこれを地方の路線にも広げる計画です。737-8は、いま737-800が飛んでいる短い路線に入り、2027年度から全国で順次飛び始める予定です。
地方の路線でもファーストクラスを選べるようになるのは楽しみですね。どの路線から入るのか、座席数や配置はどうなるのかは、決まりしだい発表されることになっています。
私は国内線はJAL派。地方路線の737−800に乗ること多かったので、ファーストクラスの登場、楽しみです。
予約のときは機材欄の「-8」をチェック
737-800からの入れ替えはこれから本格的に進みます。表記は「737-8」のほか「737 MAX 8」と書かれることもあるので、新しい機体に乗りたいときは機材欄をのぞいてみてください。


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