ブリティッシュ・エアウェイズのA380、2階席がまるごとビジネスクラスに! 106席の「世界最大のビジネスエリア」を詳しく解説

「世界最大の旅客機」エアバスA380の2階席を、まるごとビジネスクラスにしてしまう――。そんな大胆な客室改修を、ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)が2026年10月5日に正式発表しました。

ビジネスクラスは1機あたり106席。BAは「世界最大のビジネスクラスキャビン」とアピールしていて、日本でもニュースが取り上げ、航空ファンの間でもと話題になっていますね。日本への就航はあるんでしょうか。この記事では、公式発表と海外の航空ブログの情報をもとに、新しいA380の中身を少し詳しく見ていきます。

目次

ポイントまとめ

  • BAが保有するA380全12機が改修の対象
  • 2階席はすべてビジネスクラス「クラブスイート」106席(4つのゾーンに分割)
  • ファーストは12席、プレミアムエコノミーは84席、エコノミーは215席で、合計417席
  • 改修前の469席から52席減。エコノミーが88席減る一方、上位クラスが大きく増える
  • 改修初号機の就航は「今後数か月以内」の予定で、路線はまだ発表されていない

座席数はどう変わる? 改修前と改修後を比較

まずは数字で比べてみます。改修前の数字は、海外の航空ブログが紹介している現行仕様です。

クラス改修前改修後増減
ファースト14席12席−2
ビジネス(クラブワールド)97席106席+9
プレミアムエコノミー(ワールド・トラベラー・プラス)55席84席+29
エコノミー(ワールド・トラベラー)303席215席−88
合計469席417席−52

意外なことに、ビジネスクラスそのものは97席から106席へ、9席増えるだけなんです。もともとBAのA380はビジネスが1階と2階に分かれて配置されていて、これを2階に集約したのが今回の大きな変化ですね。

そのぶん目立つのが、エコノミーの大幅な削減とプレミアムエコノミーの拡大です。ファースト・ビジネス・プレミアムエコノミーの合計は202席で、全体のおよそ48%にあたります。改修前は約35%だったので、「上位クラスで稼ぐ飛行機」へとはっきり舵を切った形です。

ちなみに、事前に出回っていた座席表の流出情報では「ビジネス110席・全421席」と報じられていました。SNSで「110席」という数字が話題になったのはこのためで、正式発表で106席に確定しています。

2階はすべて「クラブスイート」 4つのゾーンに分けて圧迫感を軽減

ビジネスクラスに入るのは、BAがボーイング777や787などで展開してきたドア付きの「クラブスイート」の進化版です。全席から通路に直接出られるタイプで、今回は収納スペースが増え、青・赤・クリームを基調にした新しい内装になります。

106席がずらっと並ぶと落ち着かないのでは?と思いますが、2階は4つのキャビンゾーンに区切られます。さらに、席を離れて過ごせるスペースや、軽食や飲み物を自分で取れる「クラブキッチン」も設けられるそうです。長距離便で少し体を動かしたいときにうれしい設備かもしれません。

現行のA380のビジネスクラスは、前向きと後ろ向きの席が交互に並ぶ旧型シートで、窓側の人が通路に出るには隣の人の足元をまたぐ必要がありました。海外のブロガーからも「BAのA380のビジネスは古い」とたびたび指摘されていたので、全席クラブスイート化は待望のアップデートといえそうです。

新ファーストクラスは「同行者と一緒に食事」ができる

ファーストクラスは1階の最前方に12席。2024年11月に先行公開されていた新型スイートがいよいよ搭載されます。BAは現代的な高級ホテルのような雰囲気を目指したと説明しています。

  • 約152cm(60インチ)の高い仕切り壁とドアでプライバシーを確保
  • フルフラットになるベッドは約2m(6フィート7インチ)
  • 同席者が座れるオットマン、個人用ワードローブ、スイート内ミニバー
  • 中央の2席は仕切りを開けられ、収納式テーブルで向かい合って食事ができる

中央2席をつなげて一緒に食事ができる仕組みは、カップルや家族での旅行にはうれしいポイントですね。

プレミアムエコノミーとエコノミーも新しく

2階がビジネスで埋まるため、プレミアムエコノミーとエコノミーはすべて1階に移ります。A380は1階のほうが胴体の幅が広いので、プレミアムエコノミーは無理のない配置にできるようです。

  • プレミアムエコノミー(84席):BAの全機材の中で最大の区画に。新シートに頭まわりのプライバシーウイング、大きめの画面、新しい寝具が付きます
  • エコノミー(215席):座席幅が広がり、画面も大型化。調整できるヘッドレストと、グレードアップした枕・ブランケットが用意されます

一方で、これまでA380ファンに人気だった「2階のエコノミー」はなくなります。2階の窓際に並ぶ収納スペースが便利だったので、少しさみしいという声もあるようです。

本当に「世界最大」? 他社のA380と比べてみた

A380の2階をすべてビジネスにした航空会社は、実はBAが初めてではありません。2010年に大韓航空が2階を94席のビジネスクラス(プレステージ)だけにした仕様を発表していて、BAはそこにさらに12席多く詰め込んだ形です。

航空会社A380のビジネスクラス席数(目安)
ブリティッシュ・エアウェイズ(改修後)106席
大韓航空94席(2階すべて)
シンガポール航空78席
エミレーツ航空76席前後
エティハド航空・カンタス航空70席
ANA(FLYING HONU)56席

※他社の席数は仕様により異なる場合があります。ANAは公式発表の数値(ファースト8席・ビジネス56席・プレミアムエコノミー73席・エコノミー383席の計520席)です。

ハワイ路線向けにエコノミーを多くしたANAの520席仕様と比べると、BAの417席仕様は考え方がまったく逆なのがよくわかりますね。同じA380でも、航空会社の戦略でここまで中身が変わるのはおもしろいところです。

いつ、どの路線で乗れる?

BAは改修初号機の就航を「今後数か月以内」としていて、最初に投入する路線や具体的な日付はまだ発表していません。英国の航空ブログ Head for Points によると、初号機はまだ改修と認証の作業中で、残りの11機も1機あたり最低6〜8週間かかる見込みとのことです。全機がそろうまでには、しばらく時間がかかりそうですね。

BAのA380はロンドン・ヒースロー空港を拠点に、シンガポールやヨハネスブルグなどの長距離路線で使われています。日本路線(羽田〜ロンドン)には現在A380は投入されていないので、日本から乗るならヒースロー乗り継ぎか、シンガポール経由などで狙うことになりそうです。

新客室を待たずに始まるサービスも

今回の発表では、機材の改修を待たずに始まる新サービスもあわせて公開されました。

  • ファーストの新しい機内食サービス(メインやサイドを選べる「From the Grill」メニュー)を、10月1日から長距離便全体で開始
  • ファースト用の新しいパジャマ・寝具を10月1日から、新アメニティキットを10月6日から順次導入
  • プレミアムエコノミーの新アメニティキット・寝具と、エコノミーの新寝具は11月にかけて長距離便全体で順次導入
  • ヒースロー空港ターミナル5のCゲートに新ラウンジを2028年末に開業予定(ファースト客向けのコンコルド・エリアも設置)
  • アメリカン航空と共同で、ヒースロー空港ターミナル3にファースト専用チェックインを今冬開設予定

ヒースローをよく使う方には、ラウンジ関連のニュースも気になるところですね。

日本からならJALマイルで乗るのもあり

BAはJALと同じワンワールドの加盟航空会社です。JALマイレージバンクの特典航空券でBA便を予約することもできるので、JALマイルを貯めている方は、新しいA380のクラブスイートを特典航空券で狙ってみるのもおもしろいかもしれません。改修済みの機材がどの便に入るかは直前まで変わる可能性があるので、予約時は機材をよく確認するのがおすすめです!

まとめ

引退が進むA380ですが、BAは全12機に大がかりな改修を施し、これからも主力として使い続ける姿勢をはっきり示しました。2階まるごとビジネスクラスという思い切った構成は、プレミアム需要の強いロンドン発着ならではの選択かもしれません。まだ導入される路線は発表されていません。日本に就航してくれたらいいのになあ。初号機の就航路線や日程が発表されたら、また追いかけていきますね。

参考

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