前回は、空港を「乗降客数」で比べてみました。今回は「着陸回数」です。人の数ではなく、飛行機が何回降りてきたか。数えてみると、乗降客数のランキングとはまったく違う顔ぶれが見えてきました。
着陸回数には、ヘリコプターも自衛隊機も入る
数字は前回と同じく、国土交通省航空局の「空港管理状況調書」から、2025年度(2025年4月〜2026年3月)の実績を使っています。国内線と国際線を合わせた回数です。
ここで大事なのが、何を数えているか。国土交通省の説明では、着陸回数には定期便だけでなく、チャーター機や特別機などの民間機、政府専用機や自衛隊機なども入ります。ヘリコプターも「航空機」なので数えられます。一方、自衛隊などと一緒に使っている共用空港では、民間機だけを数えています。
そのため、この順位表にはヘリポートも並んでいます。全部で107か所。旅客便が少なくても、小型機やヘリがたくさん飛んでいれば順位が上がる、というのが着陸回数ランキングの面白いところです。
ベスト3は羽田・成田・関西
1位 羽田空港 245,121回
1位はやはり羽田空港で、245,121回。1日平均では672回です。24時間で割ると、平均して約2分に1回、どこかの滑走路に飛行機が降りている計算になります。
2位の成田(127,700回)の2倍近く。国内線だけで185,760回あり、国内線の着陸回数でも断トツの1位です。
2位 成田空港 127,700回
2位は成田空港で、1日平均350回。このうち国際線が103,005回で、国際線の着陸回数では日本一です。全体のおよそ8割が国際線という、まさに「海外への玄関口」らしい数字ですね。
前の年度(123,394回)からは4,306回増えていて、ベスト10の中でいちばん大きな増え方でした。
3位 関西国際空港 103,362回
3位は関西国際空港で、1日平均284回。国際線は81,300回で、成田に次ぐ2位です。前の年度の99,418回から増えて、10万回を超えました。
上位10空港はこちら
| 順位 | 空港 | 着陸回数(2025年度) | 1日平均 |
|---|---|---|---|
| 1 | 羽田(東京国際) | 245,121回 | 672回 |
| 2 | 成田国際 | 127,700回 | 350回 |
| 3 | 関西国際 | 103,362回 | 284回 |
| 4 | 福岡 | 97,709回 | 268回 |
| 5 | 那覇 | 83,859回 | 230回 |
| 6 | 新千歳 | 78,446回 | 215回 |
| 7 | 大阪国際(伊丹) | 69,029回 | 190回 |
| 8 | 中部国際 | 46,755回 | 129回 |
| 9 | 鹿児島 | 31,923回 | 88回 |
| 10 | 仙台 | 27,361回 | 75回 |
乗降客数では10位だった神戸空港は、着陸回数では14位(18,318回)。代わりに乗降客数11位の仙台空港が10位に入っています。
国内線だけで並べ直すと、順位はがらっと変わります。1位羽田に続く2位は福岡(72,575回)、3位那覇(71,517回)、4位伊丹(69,028回)。成田は9位、関西は10位まで下がります。福岡は、国内線では羽田に次ぐ忙しさということになります。
乗降客数とずれる空港がおもしろい
このランキングのいちばんの見どころはここです。乗り降りする人は少ないのに、着陸回数は多い。そんな空港やヘリポートが、意外な順位に入っています。
| 場所 | 着陸回数(順位) | 乗降客数 |
|---|---|---|
| 名古屋(県営名古屋空港) | 18,805回(13位) | 902,080人 |
| 東京ヘリポート | 11,042回(20位) | 乗降客数の順位表になし |
| 札幌(丘珠) | 10,759回(21位) | 576,410人 |
| 広島 | 10,574回(22位) | 2,954,942人 |
| 八尾 | 8,646回(29位) | 0人(順位表に載らず) |
| 岡南 | 4,106回(44位) | 69人 |
| 福井 | 3,686回(46位) | 53人 |
東京ヘリポートは11,042回で20位。乗降客数で16位、約295万人が利用する広島空港(10,574回)よりも、着陸回数は多いんです。札幌の丘珠空港も、乗降客数は広島の5分の1ほどなのに、着陸回数では広島を上回っています。
大阪の八尾空港は、2025年度の乗降客数が0人。それでも着陸回数は8,646回で29位です。前回の記事で「年間53人」のワースト1だった福井空港も、着陸回数は3,686回。福井空港はグライダー訓練の聖地とも呼ばれていて、着陸が4,623回あった2023年には、そのうち小型機が1,676機、グライダーが940機でした。69人だった岡南飛行場も4,106回で、福井より上でした。
東京ヘリポートって、どこにあるんでしたっけ。。。場所さえ知らないです。
ワースト3は離島の空港
順位表の最下位は米沢ヘリポート(28回)ですが、ここでは前回と合わせて、ヘリポートを除いた空港だけで下から3つを選びました。供用を休止している礼文空港は、この順位表に入っていません。
| 下からの順位 | 空港 | 着陸回数(2025年度) | 乗降客数(2025年度) |
|---|---|---|---|
| 1 | 上五島(長崎県) | 46回 | 0人(順位表に載らず) |
| 2 | 佐渡(新潟県) | 64回 | 0人(順位表に載らず) |
| 3 | 慶良間(沖縄県) | 73回 | 155人 |
ワースト1は長崎県の上五島空港で、1年間で46回。2位は新潟県の佐渡空港で64回でした。どちらも乗降客数は0人なので、旅客を乗せない飛行機だけが降りてきた、ということになります。
3位の慶良間空港は73回。前回の乗降客数ランキングでもワースト3に入っていた空港で、2つのランキングの両方で下位になりました。1日平均にするとどれも「1回」と表示されますが、実際は5〜8日に1回ほどのペースです。
次はどの数字で比べる?
人の数で見るか、飛行機の数で見るか。同じ空港でも、ものさしを変えると順位も見え方も変わります。羽田の「約2分に1回」も、八尾の「旅客0人でも年間8,646回」も、どちらも日本の空港のリアルな姿ってことですね。
私はラウンジ行ったら窓際派。離発着する飛行機をぼんやり眺めるのが大好きです。大好きな空港、いろんな数字の切り口で見てみると新しい発見もあって楽しいですね。


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