737 MAXファミリーの最大機種、737-10が、FAA(米国連邦航空局)の型式証明を取得しました。ボーイングの発表は、米国時間の10月20日です。
MAXの名前を聞くと、2018年と2019年の墜落事故を思い出す方も多いと思います。あれから認証の制度が厳しくなり、今回の737-10は、その新しい制度のもとで認証を受けた機材です。どんな飛行機なのか、認証までに何があったのか、順に見ていきます。
737-10は、座席数も航続距離もMAXで最大級
737-10は、737 MAXファミリーで最大の機種です。主な数字を並べると、次のとおりです。
- 座席数:最大230席(2クラス仕様では通常185〜210席)
- 航続距離:最大3,100海里(5,740km)
- 二酸化炭素排出量と燃料使用量:20%削減
ボーイングの民間航空機部門のステファニー・ポープ社長兼CEOは、輸送力、航続距離、座席あたりの経済性を評価し、MAXファミリーが完成したことを喜ぶ、とコメントしています。
この機種は、エアバスのA321neoに対抗する機種でもあります。
認証の厳しい目を通って、初めて商用機で全面適用
737-10は、2020年に成立した「航空機認証・安全・説明責任法(ACSAA)」の要件を全面的に適用して認証を取得した、初めての商用機です。2018年と2019年に737 MAX 8の墜落事故が起きたことを受けて、認証制度が厳格化されました。その流れの中で出てきた法律の要件を、全面的に受けた初の機種が737-10、ということです。
認証までの試験の規模も示されています。飛行試験は2,000時間超、地上試験は1,000時間、試験飛行は約1,000回です。
安全面の強化にも触れておきます。迎角(AOA)システムの改良などの強化は、737-10だけでなく、MAXファミリー全体の標準仕様になります。
認証までには、足踏みも続きました
ここまでの道のりは、順調だったわけではありません。2023年には、エンジン防氷の問題で認証が遅れました。2024年1月には、アラスカ航空のMAX 9で客室パネルが吹き飛ぶ事故も起きています。
小型のMAX 7は、2026年8月にFAAの認証を取得しています。審査には8年以上かかりました。MAX 10はこの流れに続く形で、今回の認証にたどり着いたことになります。
直前にも、気になる動きがありました。2026年9月下旬に、特定のゴーアラウンド(着陸のやり直し)の場面で、自動垂直航法が停止しうるソフトウェアの問題が見つかっています。FAAは10月2日に、パイロットがすべての制御を保持できるため安全上の懸念はない、と判断しました。そのため、これは認証の条件にはされていません。恒久的な修正は作業が続いています。
【ひとこと:新しい機材が就航するとき、型式証明が出ているかや、その経緯を意識して便を選ぶことはありますか?】
世界30社以上が1,555機を発注、初納入は2027年の予定
注文の数は、世界30社以上で累計1,555機です。これはMAXの現在の受注残の30%以上にあたります。MAXプログラム全体では7,350機の受注があり、9月までに約2,500機が納入されました。
主な顧客として挙がっているのは、ユナイテッド航空、アラスカ航空、ライアンエア、デルタ航空、アメリカン航空です。2026年9月には、ルフトハンザ グループが20機を発注しました。
初納入は、2027年の予定です。今回の型式証明で、納入へ向けた大きな一段が済んだことになります。
日本の航空会社では、スカイマークが導入します。


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